2014年3月18日~4月6日 カラパタール
トレッキング6日目 ディンボチェ(4410m)滞在 高度順化のため軽くトレッキング
トレッキング7日目 デインボチェ~5時間~ロブチェ(4910m) 泊
ディンボチェは高度4410m。普通のつもりで動くと息が切れます。急な動きは厳禁。靴ひもを結んだりするにも、意識してゆっくり。
ロッジでの生活はだいたい、6・7・8で行動します。
つまり6時に起床。その時マグカップ一杯の紅茶が運ばれてきます。間もなく、洗面器にお湯が運ばれてきます。これで洗面。廊下に寝袋やスタッフバック煮詰めた荷物を出します。
7時から朝食。この時もマグカップに二杯ぐらい、紅茶やコーヒーやお茶をいただきます。
そして身支度を整えて8時に出発です。
食事は4000mを超えると腹6分目。なので少なめの食事でOK。日本人ガイドの人は、このトレッキングに行くと、降りてきた時には5キロは痩せているそうです。お~!ダイエット効果ありなんだねえ。
さて、さて、私はディンボチェに近づくころから高度の影響を受けているのを感じていました。歩いていて、時々フワッと心もとない歩きになります。それはちょうど、授業中に眠たくてたまらない時、先生の声がふっと遠くに聞こえるような感じです。ずっとではなく、時々そんな感じがしました。
血中酸素濃度は、朝と晩二回測定します。初日の歩き出しは98%ぐらいあった濃度も、高度とともに少なくなってきました。悪い時には65%ぐらいになっています。ちなみに下界では90%になると酸素吸入です。
順化が上手くいっている人でも80%ぐらいみたい。そんな時は腹式呼吸で何度も深呼吸をします。すると濃度は見ている間に上がっていきます。
4000mを超えると、夜中に何度も目が覚めます。それは特別なことではなく、寝ることで呼吸が浅くなるので、体が危険信号を発するからです。そんな時は起き上がって深呼吸を繰り返し、テルモスのお湯を飲みます。もちろんお手洗い通いは頻繁で~す。
ディンボチェの夜、激しい頭痛で目が覚めました。頭の中で割れ鐘が鳴っています。深呼吸を繰り返し、お湯を飲んでもなかなか収まりません。これは寝たらだめだな。と思ったので、壁にもたれ、深呼吸を繰り返しました。辛く長い夜でした。
頭の中では、朝になったら酸素を吸おう。そして下山だな。ここまで来れたし、エベレストも見れたんだからもういいよね。と思っていました。
朝方、いつの間にか眠っていましたが、起きると頭はガンガンしています。深呼吸深呼吸。繰り返し繰り返し、何度も何度もやりました。やがて、頭痛は収まってきました。
朝ご飯・・・ 食欲ゼロ・・・
今日は幸いなことに、高度順化のために停滞で、軽い登りのトレッキングに行くことになっていました。でも体調に合わせて途中でやめてもいい とか。
さて、庭にでると、こんなものが~ 太陽熱でお湯を沸かしているんですよ~
そしてこちらはお宝の山~ すでに森林限界を超えているこの地では、これがエネルギー。そうヤクの糞。食堂のストーブにガラガラと入れる時は、ありがたかったですよ~笑
さあ、チュクンという集落までトレッキングに出発ですが、私は最初から途中で帰ろうと決めていました。ここで無理をしたらカラパタールには行けないと思ったからです。でも体を動かさないと高度順化が上手くいかないしね。頭痛は収まったけど、息はやっぱり苦しい。
アマダブラム(6812m)が特徴的な姿を見せています。
右の方のもやもやしたところはマカルー(8463m)、世界第5位の山です。
私は半分ぐらいで現地ガイドさんと帰ってきて、ゆっくりと過ごすことにしました。このおかげでずいぶん楽になりました。
夜中は、頭痛防止のために座って寝ることにしました。どっちにしても何度もお手洗いに起きなくてはならないのでねえ。
翌日、気持ちの良いお天気です。
まずはなだらかな道を進みます。今日はまだ調子はいいなあ。眼下にはディンボチェのジャガイモ畑が広がっています。こんな厳しい場所にも人は暮らしているんだなあ。
私たちのキッチンフタッフが軽快な足取りで追い抜いていきました。彼らは高度は感じないのかな。すごいねえ。
チョ・オユー(8201m)、世界第6位が見えてきました。いえ~、ずっと遠くの山ですよ~
後ろの谷間には下山の時に泊まるペリチェが見えています。山はアマダブラム(6812m)・カンテガ(6799m)・タムセルク(6823m)など。歩きながら何度も勉強するのですが、あっという間に忘れる~ それは酸素が足りないからだきっと。笑
お昼は、キッチンスタッフが作って待っていてくれます。いつも紅茶などの飲み物が出てくるのですが、時にはホットマンゴージュースが出てきます。最初はおよよ~ と思ったけど、後ではすっかり慣れたね。
昼食はおうどん。なぜか卵焼きが乗っている。味は・・・ 期待しちゃいけないよ~ 食欲はやっぱり無い。ごめんね。
そこから1時間ばかり急坂を登ります。平地ならなんてことない距離なんだけど、息が上がる~ そして氷河の末端まで登りあがりました。写真をよく見てください。無数の塔があるのがわかりますか?
そこはヒマラヤで遭難死した人のモニュメントがある場所でした。中には日本人のものもありました。国で遭難碑を建てているわけではなく、個人の碑のようでした。
そこからは氷河の中を歩いていきますが、土や石がいっぱいでそんな感じは全くないけどね。前を行く人は大きな冷蔵庫ぐらいの荷物を背負っています。風でバランスを崩し危ない場面もありました。
このヤクさんたちは、エベレストベースキャンプまで荷物を運ぶそうです。高所でしか生きられないヤクさんたちですが、急坂では舌をいっぱい伸ばして苦しそうでした。やっぱりあなたがたも苦しいのね。
今日はロブチェ(4910m)のロッジでお泊りです。トイレも凍る寒さ。そしてこの高度。食欲は本日もなし。そして座り寝で深呼吸~ ちなみに酸素を吸うと1時間5000円也。でもそれが惜しくて吸わなかったわけじゃないけどね。もっと苦しくなったら何万円かかろうが吸ったことでしょう。命にかかわるもの。
すっかり夜が怖くなったよ~
続く
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