カテゴリ:八ヶ岳( 4 )

初秋の八ヶ岳一人旅 全4篇 レポ完了

以前から約束していた東京の友だちに会いに行くことになりました。ならば、そのまま帰る手はないでしょう。当然、山にも登らなければ!

どこに行こうかと悩みました。アチコチと候補はありましたが、ロングコースは日程の都合上行くことが出来ません。2泊3日ぐらいで登れる所を探してみました。そして、一度は登ってみたかった八ヶ岳に決定!

初夏に行けば花が咲き乱れる山なのですが、その時期はどうしてもアルプスに足が向いてしまいますので、なかなかチャンスはありません。

さて、行くと決めてザックなどは友人宅に送り、準備万端整えました。しかし、折しも関東は毎日のように雷雨に見舞われ、洪水が起きていました。出発の日にはなんと乗るはずだった夜行寝台は、洪水警報で運休になってしまいました。

その後もお天気は思わしくなく、気分がそがれてしまいました。しかし、週明けにはお天気が安定すると言う予報がでました。「今だ!」と、意を決して出かけることにしました。後は野となれ山となれ・・・

この山旅では数々の出会いがありました。そして驚くべき人との出会いも・・・
それにお天気に恵まれ、大展望を満喫することが出来ました。

ルートは以下の地図をご覧ください。ほぼ北から南に向けて縦走しました。青の実践が歩いたルート。黄色は泊まった小屋です。
詳しくは後日。

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by yamanosoyokaze | 2008-09-14 18:01 | 八ヶ岳
一日目 9月9日 
中山2496m 東天狗岳2646m 
西天狗岳2645.8m 根石岳2603m
行動時間7時間50分 歩行時間5時間55分 
渋の湯7:30~賽の河原8:50 9:00~高見石小屋(高見石)9:30 10:00~中山展望台10:00 10:20~中山2496m~黒百合ヒュッテ12:00 12:30~東天狗岳2646m13:40 13:55~西天狗岳2645.8m14:15 14:25~東天狗岳~根石岳2603m~根石小屋15:20泊 


今回ルートを決めるにはいろいろ考えました。もちろんメインの赤岳ははずせません。それに20年ぐらい前に山小屋改革を打ち出した、赤岳鉱泉にも泊まりたい。ここのご主人は、ヨーロッパの山小屋に驚き、日本の汚い、粗末な食事の山小屋からの変革を考えたそうです。そのご主人が運営する山小屋がどんなふうになっているのか見たかったのです。赤岳鉱泉に泊まることも目標にいれ、ルートを考えました。南八ヶ岳のノーマルなルートは下山に使った美濃戸口から、硫黄岳~横岳~赤岳 を右か左にグルッと回るようです。しかし、ちょっと2泊するには短い。それで、北八ヶ岳も歩こうと思いました。北八ヶ岳は穏やかで、木や苔が美しく、岩の南八ヶ岳とはちがった表情だそうです。

では、地図上の北にある白駒池付近にある麦草峠から、ずっと南下していこうと思いました。しかし、9月に入るとバスは土日しか運行していません。タクシーで行くと1万円以上・・・ ということで、いろいろ考えたすえ、毎日2回バスが入る渋の湯からにしました。

前日はこの甲斐の殿様も愛したという「渋御殿湯」まで入り、宿泊しました。のんびりと一人一部屋。宿泊者は5人しかいませんでした。ここはお湯はいいけど・・・ 山小屋のご飯の方がおいしい・・・ 暖かいのは汁物だけ・・・ 泊まらなくていい・・・

7時にしか朝食が出ないので、大急ぎで食べて出発。さあ、一人ぼっちの山歩きの始まりです。苔むした、静かな静かな道でした。歩く人はいません。高見石小屋までの間に出会った人は下山の男性だた一人。
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「花は終わったんだなあ」と思っていたら、それはなんとイカリソウ。たくさんありました。
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こんな木道もあり、気が抜けません。見るのはいいけど、歩くにはツルッとくるからね。
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それにたくさんの実がありました。コケモモやシラタマノキ、それに夏にはあんなに可愛い花をつけていたゴゼンタチバナは美しい実になっていました。
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シラタマノキ ちょっとピンク色

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ゴゼンタチバナ は可愛い  

でも、ずっと樹林帯で、展望がありません。こういう所は気分が変らず辛い登りです。やがて、岩がゴロゴロと積み重なった道になってきました。苦労して登るとやっと展望が開けました。
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それは、素晴しい眺めでした。御岳さんがデンとそびえ、中央アルプスがくっきりと見えます。素晴しくて、しばし、うっとりと見とれてしまいました。しかし、これはこの山旅の序章に過ぎませんでした。

ゴロゴロの岩飛びの道から、またもや樹林帯の展望の無い道をひたすら登ります。目の前が開けると、高見石小屋です。今回はできる限りゆっくりと楽しもうと考えていましたので、迷うことなく高見石小屋で休憩。ここはランチメニューが充実しています。その中で私が頼んだのは「コケモモジュース」。色がきれいで、なんというのか・・・ おいしかったのはおいしかったけど。
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小屋の裏手に高見石という、大岩ゴロゴロの展望台があります。そこへ登ると、目の下には白駒池の青が樹林の中にポカンと浮かんでいました。遠くには大きな山体の浅間山、詳しくは分からないけど、四阿山や草津白根山方面が見えます。それに蓼科山の後には穂高連峰もくっきり。
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白駒池はきれいな青
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浅間山は大きな山です。 それに茶色がかった色をしていました。

またもや樹林帯の辛い登りです。北八は優しいとガイド本には書いてありますが、道は滑りやすいツルツルの石が敷き詰められたようになっていて、気を抜けません。美しい森ではあるのですが、なかなか辛い。

しかし、目の前が開けると中山展望台です。そこからの景色は絶景。一人で「すごい!すごい!素晴しい!」と叫んでいました。ほんと、みなさんにも見せたかったよ。
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北アルプス 穂高連峰・槍方面

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御岳さんがどっしりと

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中央アルプス 宝剣岳のとんがりも見える

感動しつつ先に進みました。ちょっと寄り道になるのですが、その名もきれいな黒百合ヒュッテにも立ち寄ってみました。ここで昼食&コーヒータイム。渋の湯からここに登ってくる人が多いようで、ご夫婦と4人連れの人がいました。このご夫婦はちょと進んだ所で、足がつって動けなくなっていました。それで、天下の名薬「ツムラの68」を差し上げました。(^o^)

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きれいなきのこ テングタケの仲間かな。

さあ、いよいよ天狗岳への登りです。がんばれがんばれ!自分に言い聞かさせて登りました。
東天狗岳も美しい展望の広がる山頂でした。ここからはじめて明日向かう赤岳や阿弥陀岳が見えました。山小屋までは一下りですので、西天狗岳へも往復することにしました。
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左が東天狗岳、右が西天狗岳

小屋に向かう道はコマクサの道です。夏のなごりのコマクサが迎えてくれました。
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根石小屋は稜線なのになんとお風呂があります。それにお食事もおいしい。ちょっと偏屈なお兄さんに慣れさえすればバッチリ。この小屋には単独の兵庫の女性と地元の女性と名古屋のご夫婦と私の5人が宿泊で、すっかり仲良しになり、楽しく過ごしました。こんな山小屋での出会いがまた思い出に残ります。
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石でつぶれてしまうのではないかと思うほど、雰囲気のある根石小屋です。

そして、夕暮れは穂高連峰・槍が岳の美しいシルエットを見せてくれました。言葉もなく、五人はその夕景を見つめるのでした。
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by yamanosoyokaze | 2008-09-13 10:17 | 八ヶ岳
二日目 9月10日
箕冠(みかぶり)山 硫黄岳2760m
横岳2829m 赤岳2899.2m 
中岳 阿弥陀岳2805m

行動時間9時間10分 歩行時間7時間10分
根石小屋6:30~箕冠山~夏沢峠6:50~硫黄岳27607:45 8:00~横岳28299:00 9:20~赤岳展望荘10:40 11:00~赤岳2899.2m11:30 12:10~文三郎尾根分岐12:50~中岳13:00 13:10~中岳のコル13:20~阿弥陀岳280513:50 14:00~中岳のコル14:20~行者小屋15:00~中山展望台往復15:10 15:15~赤岳鉱泉15:40泊


根石小屋で5人で和気あいあいと過ごし、翌日日の出をみんなで堪能し、お互いの無事を祈りつつそれぞれが出発しました。
美しい夜明けです。今日も素晴しいお天気。
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まずは箕冠山への少しの登り、そして夏沢峠への下りです。今までの道と違って歩きやすい道でした。そこからは硫黄岳までの350mぐらいの登り。ここはちょっと辛いけど、大展望が広がっていますので、眺めながらがんばりました。

硫黄岳に近づくと、爆裂火口の火口壁が良く見えます。恐ろしいほどに切れたった壁は何百メートルも落ち込んでいます。崩れやすいので縁に立つのは禁止。
恐ろしいほどの高度感ですが、壁の模様は美しいと思いました。
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硫黄岳も360度の展望で、向かう赤岳の勇姿も望めます。そして富士山が顔を出しました。どこで見ても、富士山を見つけると、足が止まるものですね。しばし鑑賞。
美しい富士山。きれいな裾野が広がっています。
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さあこれからは今回の縦走の核心部です。一人旅では絶対に、怪我や事故はさけなければなりません。慎重の上にも慎重を重ね、一歩一歩丁寧に足を下ろすことに気をつけました。自分でも、あまりのゆっくり歩きに笑いが出るほどでした。
こんな鎖場やはしごがたくさんあります。
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横岳からはこれから向かう山や7月に登った南八ヶ岳の山々が良く見えます。写真の手前左から向かう赤岳・中岳・阿弥陀岳。奥に権現岳。ずっと奥に南アルプスの北岳・仙丈岳・甲斐駒ケ岳など、素晴しい眺めです。
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所々にすでに紅葉している葉も
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タカネナデシコが青空に映えます
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悪場を終わり、歩きやすい道になると、赤岳展望荘です。ジュースを飲みながらベンチに座り、周りの山々をゆっくりと眺めで楽しみました。ここから赤岳まではコースタイムで40分ぐらいの登りですが、激登りです。息が切れます。それに危ない。上からの落石も注意。下山の人がストックで何気なく落とした石が転がってきて、私のすぐ上で止まりました。ヒヤリ!
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ようやくたどり着いた赤岳。みんなのんびりと楽しんでいます。八ヶ岳を歩いて思ったことの一つは、みなさんが山での時間を上手に楽しんでいるということです。「こういうお天気の安定した日は、山小屋に必要以上に早く着くのはもったいない。目一杯山に居よう」という姿勢の人がたくさんです。ある人なんか、山頂に2時間も居て、来る人来る人とお話をして楽しんでいました。私もすでに昨日からその仲間に入っていますが・・・(^o^)  赤岳の頂上山荘に上がりこみ、靴を脱ぎ、靴下も脱ぎ、展望レストランでコーヒータイム。窓越しに富士山を眺めながらゆっくりとコーヒーを飲み、至福の一時を過ごしました。
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赤岳からはこれまた厳しい下りです。登ってくる人はみなあえいでいます。それに岩場で足元も危険。
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途中にはトウヤクリンドウやウメバチソウがニッコリ笑っていました。
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さて、縦走路からははずれていますが、時間があったら行こうと思っていた阿弥陀岳にも登ることにしました。阿弥陀岳への登りはなかなか大変。急登、ハシゴ、足場悪し・・・ 山頂は阿弥陀如来が祀ってありました。それに南アルプスの大展望。
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南アルプスがドンと見えます。
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下山は登りよりももっと注意が必要です。先行するご夫婦は苦戦しているようですが、「足はここに・・・ 手は・・・」とアドバイスをしている登山者が居ました。「あれ~ どこかで見たような~? emoticon-0104-surprised.gif野口健さん!」

そうです。野口健さんがいたのです。「野口健さん、こんな所でなにしているんですか?」「emoticon-0116-evilgrin.gif 登山です」そりゃあそうだよね。そして野口健さんが自ら私のカメラを持って、写してくれました。はぁ~!!!写真は野口健さんだけを見ること!(^o^)
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さわやかで、美しい目の人でした・・・

岩崎元男さんとは一緒に登ったことも、講義を受けたこともあるし、あとは山野井夫婦と三浦雄一郎さんだね。(^o^)

長くなりましたので、続きは次のページへ。
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by yamanosoyokaze | 2008-09-13 07:04 | 八ヶ岳
二日目 9月10日 続き

野口健さんと出会い、ルンルン気分で中岳の鞍部に降り立った私は、足取りも軽く山小屋への道を歩きました。しばらく行くと一人トボトボ歩く大学生の男の子がいました。抜こうかなとも思いましたが、先には仲間がいるみたいで時々「お~い!○○ちゃん!」と遠くから声がかかりますので、そのまま後について歩きました。

途中で4~5人の仲間が待っていました。話を聞くと、遅れていた男の子は赤岳の下りで道をはずれ、滑落したそうです。見ると全員足元はスニーカー!「その靴では危ないよ。量販店に行ったら安いのもあるから、せめてトレッキングシューズを履かなくちゃ!」と、少々母心を出してしまいました。幸い怪我していませんでしたが「ヘリコプターを飛ばしたら100万だよ!」と脅かしておきました。

それに地図も読めなかったようで、登りも地蔵尾根コースを登っていると思っていたら、文三郎尾根を登っていたとか・・・ とてもさわやかで、素直な男の子たちでしたが、気をつけて欲しいなあ。更に「この道あっているんでしょうか?」と聞いてきました。「さあね。私も初めてだからね。一緒に遭難しましょう。私はヘリコプターを飛ばせるから」というと笑っていました。

この男の子達と、おしゃべりしながら行者小屋まで一緒に歩きました。そこから下山する大学生達と別れて、赤岳鉱泉を目指しました。途中ではまたもや寄り道。名前は同じでも昨日と全く違う中山展望台に登ってみました。
ここからは赤岳や横岳が良く見えます。
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横岳の岩峰は大同心・小同心というそうです。
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赤岳鉱泉はきれいな山小屋です。お風呂もあります。お食事はなんとステーキ。そして、お味噌汁ではなくスープ。くだものもたくさんついていました。山小屋改革をした柳沢さんの意向が生きているように思いました。個室もあるよ~ トイレは暖房便座。
廊下はステンドグラスの入った電灯。
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談話室も2箇所あり、食堂もきれい。
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お食事はちゃんと給餌してくれて、暖かいものは暖かく、佃煮を並べたような食事ではありません。
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残念ながらご主人は不在でしたが、山小屋のスタッフに「きれいですね」というと、「かなり丁寧に掃除しますから」と誇らしげに答えました。いいねえ、こういう誇り。

外に出ると赤岳が夕日に真っ赤に染まり、その名の通りに赤く見えました。
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三日目 9月11日
赤岳鉱泉7:00~美濃戸口10:00

さあ、今日は下山のみ。昨日一緒に夕食を食べた大阪の72歳の男性と一緒に歩きました。登られた山の話しや、地元大阪の金剛山の話し。下山後も、一緒に温泉まで移動し、入浴と食事、そして駅までもずっと一緒でした。
途中の道にはたくさんのトリカブトが咲いていました。
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登山口。ここまではバスが来ます。
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旅も終わろうとしています。一人の山旅は緊張もありましたが、多くの出会いもプレゼントしてくれました。一生の思い出に残る山旅となるでしょう。
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by yamanosoyokaze | 2008-09-11 08:53 | 八ヶ岳