2012年1月14日 多良山系 ある谷
こんな所もあったんだ
林道~滝~滑滝 往復
もしかして~ もしかして~ あるかなあ~
と、頭の中に渦巻いている場所がありました。それは2度探しに行ったのに空振りの滑滝。しかし、前々回はかなり危険な場所でしたので、ちょっと危ないかも。ということで、行けるところまで~
辺りを付けた場所は、地図上ではここら辺。で、車で行くと・・・ えーっ・・・ ここは・・・ 以前歩いたことのある林道ではありませんか。そうなんだあ・・・ わからないもんだねえ。
さて、適当な場所に車を停めて歩き出しました。しばらく歩くとおじいさんに出会いました。遠くから私を見つけたおじいさんは慌てて駆け寄って(たぶん気持ちはそんな感じ)きました。「お~ ヨロヨロしよる」とご自分でもおしゃっていましたから。
「どこにいきよっとね」
いえ・・・ あの・・・ ここから山の方に登れると聞いたもんで・・・
「ここから? こがん所に一人で来ちゃいかんばい」
はあ・・・ いえ・・・ ちょっとだけ。
おじいさんはまるで娘を見るような目で私を見つめて、肩をポンポンとたたきます。おじいさんはそこの植林の持ち主のようで、手入れにきたそうです。
「こがん寂しか所に一人ではいっちゃいかんよ」
とおじいさんは重ねて言います。本当に心配してくれている目でした。おじいさんは世をはかなんで山に終焉の場所を見つけに行っている人を見るような目で、優しく私を諭してくれます。
でもねえ・・・ そんな気持ちなら、ザックに重い装備を入れたり、地図やコンパスやカメラは持ってこないって。お弁当だって入っているんだから。
でも心配してくれてありがとうございます。
いえ、ちょっと林道の終わるところまで偵察に行って帰ってきますから。
「そうねえ・・・ 気を付けて行かんばよ。すぐ帰ってきなさいよ」
おじいさん、ごめんなさい。ウソつきました~ 林道終点から上が今日の目的地で~す。すみません。
ということで、おじいさんの熱い視線を背中に受けつつ歩き出しました。
以前歩いたことのあるこの林道はその時よりもいくぶんきれいになっていました。前はもっと生い茂っていました。これもおじいさんが手入れしたのかなあ・・・ しかし、案の定上半分は藪になっていました。でもそうひどくはなかったのであまり苦労はしませんでしたが。
そして、林道終点からいよいよおきて破りの谷歩き。いい感じですよ~ 水も結構流れています。水が無いことには滑滝なんてあるはずがないし。
谷を歩くとなにやら白いものがチラチラ見えます。近づいていくと・・・ 滝!
更にそばにいくと半分凍っています。
きれい!しばし見つめていました。が、問題はここからです。前々回も滝を巻いて登り、恐ろしいことになりました。行きはよいよい帰りは恐いになるからです。どうするかなあ・・・ それに おーいおーい と呼ぶおじいさんの声が聞こえるような気もするし・・・
ええい!女は度胸!巻けるか探して、危なそうだったらやめよう。で、ちょっと捜索。すると・・・ これは道じゃないの?
見ると周りには炭焼き釜の跡が点在しています。ということは道があったはず。かすかで消えかかり所々崩壊していますが、これは道でしょう。ということで、跡をたどることにしました。眼下にはまた違う滝が流れています。
そして~ 出てきましたよ。それらしい所。
いやいや、なかなかじゃありませんか。
さらに上に続くよ~ 岩を抱いている立派な木は赤樫でしょうか。谷の主様でしょうきっと。
そして、小さな滝が現れ~
滑滝が出てきました。
こんな所もあったんだねえ、多良山系に。もう感激でした。
本当は稜線まで出るつもりでしたが、どうもおじいさんの声が頭の中に響いていて、おーいと呼ぶ声が聞こえます。あまり時間がかかると、本当に捜索隊がでるかもしれず・・・
なので、地形図を見て違う林道をたどって下山することにしました。が、その放置林道はイバラが生い茂っていまして、10mで断念。笑 登ってきたルートを帰ることにしました。こんなきれいな森があったり~
いやあ~ 楽しい谷でした。また来ようっと!
でも、今度来る時にはおじいさんと出会わないようにしなくちゃね。心配させてしまうもんね。
林道を歩くと、おじいさんの姿はもうなく、車もありませんでした。でもきっと後で私の車のないことを確認にきてくれることでしょう。お父さんのようなおじいちゃんありがとう。
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林道~滝~滑滝 往復
もしかして~ もしかして~ あるかなあ~
と、頭の中に渦巻いている場所がありました。それは2度探しに行ったのに空振りの滑滝。しかし、前々回はかなり危険な場所でしたので、ちょっと危ないかも。ということで、行けるところまで~
辺りを付けた場所は、地図上ではここら辺。で、車で行くと・・・ えーっ・・・ ここは・・・ 以前歩いたことのある林道ではありませんか。そうなんだあ・・・ わからないもんだねえ。
さて、適当な場所に車を停めて歩き出しました。しばらく歩くとおじいさんに出会いました。遠くから私を見つけたおじいさんは慌てて駆け寄って(たぶん気持ちはそんな感じ)きました。「お~ ヨロヨロしよる」とご自分でもおしゃっていましたから。
「どこにいきよっとね」
いえ・・・ あの・・・ ここから山の方に登れると聞いたもんで・・・
「ここから? こがん所に一人で来ちゃいかんばい」
はあ・・・ いえ・・・ ちょっとだけ。
おじいさんはまるで娘を見るような目で私を見つめて、肩をポンポンとたたきます。おじいさんはそこの植林の持ち主のようで、手入れにきたそうです。
「こがん寂しか所に一人ではいっちゃいかんよ」
とおじいさんは重ねて言います。本当に心配してくれている目でした。おじいさんは世をはかなんで山に終焉の場所を見つけに行っている人を見るような目で、優しく私を諭してくれます。
でもねえ・・・ そんな気持ちなら、ザックに重い装備を入れたり、地図やコンパスやカメラは持ってこないって。お弁当だって入っているんだから。
でも心配してくれてありがとうございます。
いえ、ちょっと林道の終わるところまで偵察に行って帰ってきますから。
「そうねえ・・・ 気を付けて行かんばよ。すぐ帰ってきなさいよ」
おじいさん、ごめんなさい。ウソつきました~ 林道終点から上が今日の目的地で~す。すみません。
ということで、おじいさんの熱い視線を背中に受けつつ歩き出しました。
以前歩いたことのあるこの林道はその時よりもいくぶんきれいになっていました。前はもっと生い茂っていました。これもおじいさんが手入れしたのかなあ・・・ しかし、案の定上半分は藪になっていました。でもそうひどくはなかったのであまり苦労はしませんでしたが。
そして、林道終点からいよいよおきて破りの谷歩き。いい感じですよ~ 水も結構流れています。水が無いことには滑滝なんてあるはずがないし。
谷を歩くとなにやら白いものがチラチラ見えます。近づいていくと・・・ 滝!
更にそばにいくと半分凍っています。
きれい!しばし見つめていました。が、問題はここからです。前々回も滝を巻いて登り、恐ろしいことになりました。行きはよいよい帰りは恐いになるからです。どうするかなあ・・・ それに おーいおーい と呼ぶおじいさんの声が聞こえるような気もするし・・・
ええい!女は度胸!巻けるか探して、危なそうだったらやめよう。で、ちょっと捜索。すると・・・ これは道じゃないの?
見ると周りには炭焼き釜の跡が点在しています。ということは道があったはず。かすかで消えかかり所々崩壊していますが、これは道でしょう。ということで、跡をたどることにしました。眼下にはまた違う滝が流れています。
そして~ 出てきましたよ。それらしい所。
いやいや、なかなかじゃありませんか。
さらに上に続くよ~ 岩を抱いている立派な木は赤樫でしょうか。谷の主様でしょうきっと。
そして、小さな滝が現れ~
滑滝が出てきました。
こんな所もあったんだねえ、多良山系に。もう感激でした。
本当は稜線まで出るつもりでしたが、どうもおじいさんの声が頭の中に響いていて、おーいと呼ぶ声が聞こえます。あまり時間がかかると、本当に捜索隊がでるかもしれず・・・
なので、地形図を見て違う林道をたどって下山することにしました。が、その放置林道はイバラが生い茂っていまして、10mで断念。笑 登ってきたルートを帰ることにしました。こんなきれいな森があったり~
いやあ~ 楽しい谷でした。また来ようっと!
でも、今度来る時にはおじいさんと出会わないようにしなくちゃね。心配させてしまうもんね。
林道を歩くと、おじいさんの姿はもうなく、車もありませんでした。でもきっと後で私の車のないことを確認にきてくれることでしょう。お父さんのようなおじいちゃんありがとう。
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by yamanosoyokaze
| 2012-01-15 16:46
| 多良山系